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北朝鮮 中国漁船拿捕 盟友関係は崩れるのか

2012年05月18日

 【新唐人日本2012年5月19日付ニュース】5月8日、中国領海内の黄海で操業中の中国漁船3隻が、北朝鮮の武装船に拿捕(だほ)されました。17日の中国メディアの報道によると、乗組員29人が北朝鮮側に拘束され、身代金120万元、日本円でおよそ1500万円を要求。期日まで送金しないと、乗組員と漁船は処理すると脅迫されたそうです。

 
事件が発生したのは5月8日。大連から出た漁船が黄海で操業。東経123度57分、北緯38度05分の海域で操業していたところ拿捕され、乗組員29人が拘束。中国側は中国領海内で操業していたと主張。
 
9日、船主の張徳昌氏に船長から連絡があり、北朝鮮側が漁船一隻当たり40万元、合計で120万元を要求しているとの事でした。15日、再び連絡があり、二日以内に身代金を支払わない場合、漁船と乗組員を処理すると脅迫。
 
当時、北朝鮮の武装船には中国語を話す人がおり、身代金は遼寧省の丹東市で渡すよう要求されたそうです。この事から、中国のマフィア組織が事件にかかわっている可能性が浮上してきました。
 
中国外務省は16日、事件は漁業紛争に属し、早急の解決を図るとコメント。しかし、翌日には漁業紛争のことは言及せず、北朝鮮側に「中国公民の安全および合法的な権益を確保するよう」求めました。一方、北京の北朝鮮領事館は17日、ネット上で事件を知っただけで、詳細は知らないとコメントしました。
 
情報によると、黄海海域では過去にも北朝鮮側とトラブルが発生し、北朝鮮側から身代金を要求されたことは何度かあったそうです。しかし、メディア沙汰になるのは、今回が初めてだそうです。
 
時事評論家 藍述さん
「この類の事は恥ずかしい事なので、双方は国際社会に恥を晒したくないのです。互いに条件をつけて、もちろん水面下で行います。しかし、原則などは講じません。北京は北朝鮮を利用して、東北アジアでの強権を確保し、北は北京の手先の役目なので、利益を与えるのです。利益が少ないと、北は騒ぎ立てるのです」
 
この事件は、中国で大きな反響を呼び、ネット上には書き込みが殺到。中国当局に対する批判の声も少なくありません。「インド洋のアデン湾に軍艦を派遣できるのに、なぜ玄関先の漁船を保護できないのか?」「金氏王朝は典型的な匪賊なのに、なぜ匪賊と手を結ぶのか」
 
時事評論家 藍述さん
「北朝鮮ははっきり分かっています。北京とは互いに利用しているだけです。北京は小さい事においては、北を支持したりしますが、大きい事においては、自分の利益を犠牲にして、北の言いなりになる事はありません。勿論北も自分の利益を犠牲にして、北京の言いなりにはなりません。だから、互いに利用するだけです」
 
5月13日、中日韓投資協定が北京で締結されました。時事評論家の伍凡さんは、協定が北朝鮮の神経に触れたのかもしれないと示します。
 
時事評論家 伍凡さん
「きっと北朝鮮を刺激します。なぜなら、北朝鮮は正々堂々と取引できないからです。誰も相手しませんので、不機嫌になり、小手先のことを仕出かすのです。時期的にも、この時期に発生したのです。一部の外国メディアは、下の者がやった事だと言っていますが、私は信じません。下の者が勝手に人を拘束して金を要求しているのに、上が知らないはずがないでしょう。外部に責任を押し付け、実際は中共への不満を表しています」
 
ネットユーザーは、こう皮肉ります。「中朝の友情は鮮血で固められたはずなのに、ゆすられるとは?」また、今回の事件によって、盟友関係にひびが入るのでは、との声も聞かれます。
 
これに対し、藍さんは、中国と北朝鮮は数少ない共産主義独裁国家で、その関係は簡単には崩れないと指摘します。両国関係はこじれたり、仲直りしたりの繰り返しですが、中国共産党の崩壊をもって、終焉を迎えると述べます。
 
新唐人テレビがお伝えしました。
 
 

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